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254万円(2004年値)
OECD(経済協力開発機構)の貧困基準 4人世帯(親2人子2人)の場合の年間の可処分所得。
毎月にすると約21万円で家族4人が暮らしている計算になります。可処分所得とは、世帯の所得から税金や社会保険料などを引き、児童手当などの政府からの公的な給付を加えたものです。年間の可処分所得の中央値の半分以下(相対的貧困基準)の世帯に属する子どもが貧困とみなされます。なお、親子2人世帯で相対的貧困基準は180万円となります。
【補足】日本には、貧困基準というものはありませんが、大体生活保護基準と同様です。
日本における相対的貧困基準と生活保護基準(2006年)
| モデル世帯の事例 |
相対的貧困基準 |
生活保護基準 |
| 1人世帯 |
127万円 |
84〜111万円 |
| 2人世帯(母子世帯、母32歳、子5歳) |
180万円 |
140〜181万円 |
| 4人世帯(父35歳、母32歳、子10歳、8歳) |
254万円 |
204〜265万円 |
・3級地-2〜1級地-1を想定
・母子加算約24〜28万円(年間)を加算、母子加算は2005年度から段階的に縮小されており、2009年度には全廃の予定である。
[生活保護基準]は、『保護のてびき』2006年度版から筆者(阿部彩氏)推計
[貧困基準]は、「国民生活基礎調査」2004年から筆者(阿部彩氏)推計
※出典:阿部彩「子どもの貧困」(岩波新書、2008) p.49
7人に1人
日本の子どもの(相対的)貧困率。
OECD(経済協力開発機構)の貧困率のデータ(OECD 2008年の報告)によると、日本の子どもの貧困率は13.7%で、子どものうち7人に1人が貧困状況にあることになります。ちなみに貧困率が一番低いのはデンマークの2.7%、次いでスウェーデンの4.0%、フィンランド4.2%、ノルウェー4.6%となります。逆に、子どもの貧困率が1番高いのはトルコの24.6%、次いでメキシコの22.2%、ポーランド21.5%、アメリカ20.6%となります。日本はOECD30カ国中、貧困率の高いほうから12番目に位置しています。
【補足】日本では、子どもの貧困率が増加しています
日本は、1990年代中旬と比べると1.7%増加しています。一方、アメリカは1.7%減っています。また、イギリスも1999年当時、子どもの貧困率が高かったのですが、ブレア首相(当時)が「子どもの貧困を2020年までに撲滅する」と宣言し、対策を実行したことにより貧困率は3.6%減と確実に減ってきています。
59.2%
年収200万円以下世帯で「この1年間、家族でキャンプや旅行に行った」割合。
年収が増加するほど、割合が高くなる傾向があります。
〜300万:63.0%、〜400万:73.8%、〜500万:75.2%、〜700万:83.3%、〜1000万:88.8%、1000万〜:90.3%、です。(松本伊智郎札幌学院大学教授らが行った小学校2年生、5年生及び中学校2年生を育てている親1023人を対象とする調査:調査年2001年)
※出典: 阿部彩「子どもの貧困」(岩波新書、2008)p.6
同調査の他の設問「休日に子どもと十分に遊んでいる」、「学校の先生と子どものことをよく話す」、「子どものことでの相談相手が家族の中にいない」のそれぞれの設問で、年収200万円以下世帯で最も低い割合になっています。
【補足】: 経済的困難が児童虐待をも生み出す原因になっている
児童虐待と経済的困難との関係
| 虐待につながると思われる家庭の状況 |
あわせて見られる他の状況上位3つ |
| 1 |
ひとり親家庭 |
460件(31.8%) |
1)経済的困難 |
2)孤立 | 3)就労の不安定 |
| 2 |
経済的困難 |
446件(30.8%) |
1)ひとり親家庭 |
2)孤立 |
3)就労の不安定 |
| 3 |
孤立 |
341件(23.6%) |
1)経済的困難 |
2)ひとり親家庭 |
3)就労の不安定 |
| 4 |
夫婦間不和 |
295件(20.4%) |
1)経済的困難 |
2)孤立 |
3)育児疲れ |
| 5 |
育児疲れ |
261件(18.0%) |
1)経済的困難 |
2)ひとり親家庭 |
3)孤立 |
※出典: 東京と福祉保険局「児童虐待の実態II」(2005年12月)
3万2903人
世帯主が国民健康保険料を支払えないため無保険状態の中学生以下の子どもの人数
2008年に厚生労働省が無保険の子どもの調査を始めて行い、無保険の世帯は全国約33万世帯、そのうち中学生以下の子どもは3万2903人いることがわかりました。この無保険状態は、健康保険料を支払えない世帯でおこっています。保険があれば病院などでかかる医療費の3割を支払えばよいのですが、無保険では、一旦全額負担しなければならないので、必要な治療を受けられなくなる可能性があります。実際、医療費を支払えないことにためらい、早めに必要な治療を受けられず、死亡する例も出てきていました。
【補足】:資格証明書交付世帯における子どもの数
資格証明書とは、被保険者であることを示す証明書としての役割のみで、保険証のように医療機関で保険給付を受けるための受診券とはなりません。健康保険料を支払えない世帯に対して発行されるもので、代わりに保険証を返さなければなりません。
資格証明書交付世帯における子どもの数
| 滞納世帯者数 |
交付世帯数 |
資格証明書交付世帯数のうち |
| 子どものいる世帯数 |
乳幼児数 |
小学生数 |
中学生数 |
中学生以下計 |
| 3,845,597 |
330,742 |
18,240 |
5,522 |
16,327 |
11,054 |
32,903 |
※数値は、自治体の報告を単純に合計したものである。
・滞納世帯数/国保世帯数(2,083万世帯)=18.5%
・資格証交付世帯数/国保世帯数=1.6%
・資格証明書交付世帯にいる中学生以下の者の数/国保被保険者である中学生以下の者の数(0歳〜15歳:370万人)=0.9%
※資格証明書乳幼児数/乳幼児被保険者数(0〜6歳:147万人)=0.4%
資格証明書小学生数/小学生被保険者数(7〜12歳:148万人)=1.1%
資格証明書中学生数/中学生被保険者数(13〜15歳:75万人)=1.5%
(注)年齢階級別被保険者数は、平成18年度「国民健康保険実態調査報告」による。
※出典: 厚生労働省『「資格証明書の発行に関する調査」の結果等について』(2008年10月)
28.8%
全国の少年院における新規収容者数出身家庭の生活程度で貧困層の割合。(2004年度)
なお、貧困層以外では、富裕層が2.8%、普通層が67.6%である。子どもの貧困層は約14.%であるが、実に30%近くの新少年院生が「貧困状態」の家庭で育っている。(データは、岩田美香北海道大学教授が「矯正統計年報」より作成)
また、同データ(2004年度)では、一般保護少年の家庭の生活程度で「貧困」の割合は4.5%,少年鑑別所の新収容者の「貧困」の割合は22.9%,少年院の新収容者の「貧困」の割合は28.8%と,子どもたちの犯罪の程度が重くなるほどに家庭の貧困割合が増加している。
岩田教授は、少年院の入所までに至った子どもたちの家庭環境について次のように言っている。『家庭内では、家族そろってあるいは家族のだれかとの夕食をとることは少なく、家庭内での会話も、一般群の77.0%の少年が学校や友人のことについて家族と話をしているのに対して、少年院生は57.7%であり、「もっと話をしたい」と思っている割合も66.4%(一般群は9.1%)と高い。また、家族旅行などの経験も、一般群が7割であるのに比べて3割台と低く、反対に家庭内での暴力を経験している。』
※出典: 浅井春夫・松本伊智郎・湯澤直美編「子どもの貧困」(明石書房、2008)p.166 岩田美香「少年非行からみた子どもの貧困と学校」
14%
父親の最終学歴が中学校卒業の場合の本人の最終学歴が大学卒業である割合。
父親の最終学歴が高校卒業の場合に本人の最終学歴が大学卒業である割合は39%、父親の最終学歴が大学卒業の場合は66%となり、親が高学歴であると、本人も高学歴となる可能性が高く、世代間継承されていることがわかります。このことは、吉川徹大阪大学准教授のSSM調査(社会階層と社会移動全国調査)でわかりました。なお、このような結果は、職業階層の継承においても報告されています。
※出典:阿部彩『子どもの貧困』(岩波新書、2008)p.26
26.9%
経済的理由で「大学に行かせてやれない」考えている親の割合。
子どもの教育をどう考えるかを12歳以下の子どもがある世帯に調査した結果、大学まで「行かせてやることができる」が65.1%、「行かなくてよい」が5.3%、「(経済的に)行かせられない」と考えている親が26.9%と、高等教育を受けさせたくても経済的に無理だと考えています。なお、希望する子どもの最終学歴を「大学」とした割合は、年収600万円以上の世帯では半数以上でしたが、同200万円未満の場合は25%を切ります。
※出典:阿部彩『子どもの貧困』(岩波新書、2008)p.169
86%
ホームレスのうち最終学歴が高卒以下である割合
中学校が55.5%と最も多く、次いで、高校が32.0%となっています。なお、短期大学・専門学校は3.0%、大学は5.7%となっており、高等教育修了者の割合は少なくなります。(厚生労働省「ホームレスの実態に関する全国調査報告書」2007年)
また、学歴別フリーター率の分析においても、中卒・高校中退者におけるフリーターやニート比率は高く、また増加傾向にあることが指摘されている。
※出典:労働政策研究・研修機構 小杉・堀 「若者就業支援の現状と課題」(2005)
※出典:阿部彩『子どもの貧困』(岩波新書、2008)p.149
なお、大卒と高卒の平均年収の差は180万円に上るというデータもある。
※出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)
0.75%
日本の「家族関連の社会支出」のGDP(国内総生産)の占める割合。
スウェーデン3.54%、フランス3.02%、イギリス2.93%などに比べると非常に少ない割合になっています。
なお、OECD世界先進国18カ国の政府の社会保障などの政策を行う前後で子どもの貧困率を比較したところ、日本はOECD諸国で唯一悪化(12.9%→14.3%(+1.4))している国だとわかりました。つまり、子どもを持つ親が政府から支援してもらうお金よりも政府に支払う税金などのお金の方が多く、貧困でなかった家族が貧困の状態になってしまうという制度の欠陥があります。
他の国の政府の対策では、結果として貧困率を減少させています。アメリカでは26.6%→21.7%(-4.9)、イギリスでは29.1%→16.2%(-12.9)、ノルウェーでは11.8%→3.6%(-8.2)、OECD平均20.5%→12.1%(-8.4)
3.1%
日本の教育機関に対する公財政支出のGDPの割合。
前年と比較して0.1パーセント低下し、OECD加盟国の28か国中の順位も、28位に低下しています。(データは、『図表でみる教育 OECDインディケータ(2008年版)』)
文部科学省は、10年後にOECD平均の5.0%をめざすという方針を出しているが、財布を握る財務省は財政赤字などを理由に今まで以上の教育投資には消極的である、との報道もあります。(2008年5月1日 読売新聞)
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